Arrows Tab Q508/SE

[thinkpadnerd]

富士通製 Windows タブレットです。中古で購入、Windows 11 Pro インストール済み。(メーカー出荷時は Windows 10) キーボード、タッチペン付属。
学校で使われていた PC のリース終了品かと思われます。

CPU - インテル Atom x7-z8700 (4コア 1.6 GHz - 2.4 GHz)
メモリ - 4GB
ストーリッジ - eMMC 128GB
ビデオ - intel HD Graphics
ディスプレイ - WUXGA (1920 x 1200)

この PC のネックは、タッチパネル・サウンド・ディスプレイの輝度調整です。
これらの条件をクリアする OS として BookwormPup64 と BookwormPup32 をインストールしました。(apt 採用の puppy は不本意だが)

他の puppy はタッチパネルを認識しない、音が出ない、輝度の調整ができないといった不具合があります。(音源チップが特殊?) 他の puppy でもカーネルやファームウエアを入れ替えれば動作するかもしれません。
輝度の調整はキーボードの Fn + F6↓、Fn + F7↑ キーで行なうか、xbacklight コマンドで調整します。(ビデオドライバは intel を指定)

[thinkpadnerd]

noblepup64 もインストールしてみました。
Chrome が固まったり、クラッシュするなどの不具合が出ました。

grub.cfg のカーネル行に
intel_idle.max_cstate=1
を追記すると、安定しました。

参考にした記事
MX Linux タブレット向け設定（Intel Atom CPU）
https://qiita.com/Kazu-Q/items/cf340afd25a7d8c96948

なお、noblepup64 では、xbacklight による輝度調整が効きません。F6, F7 キーによる調整はできます。

追記
動画を再生している途中で止まってしまい、ビープ音のようなものが鳴り続けるという不具合が発生。

BookwormPup と Noblepup64 はカーネルバージョンが異なります。今のところ、この PC に適合するのは BookwomPup64 / 32 だけのようです。
なお、BookwormPup にはカーネルパラメータ
intel_idle.max_cstate=1
は付けていません。なくても問題ないようです。

[thinkpadnerd]

Bookwormpup64 がインストールしてあるフォルダに dpupbw64initmodules.txt というファイルができることがあります。
これがあると、起動時に赤い文字のメッセージが出て、60秒待たされます。その後はちゃんと起動しますが、どういうことなのかよく分かりません。(高解像度のディスプレイなので、文字が小さく、メッセージが読みづらい)

....txt ファイルは削除しても構わないようです。
本家フォーラムで言及されています。
https://www.forum.puppylinux.com/viewto ... es#p146371

しかし、上記の記事では「カーネルを交換した場合」と書いてあります。私は今回カーネルは交換していません。

[thinkpadnerd]

内蔵ストーリッジの eMMC は書き込み速度が遅いと感じます。(読み出し速度は気にならない)
それで、ブートパラメータを pmedia=atahd から pmedia=ataflash に変更しました。usb から起動した場合と同じ動作になります。

追記
ディスプレイ消灯、あるいは、スタンバイからの復帰に失敗することがあり、pmedia=atahd に戻しました。
追記終り

ビデオドライバを "intel" から "modesetting" に変更しました。Firefox は modesetting ドライバのほうがパフォーマンスが良くなります。
しかし、xbacklight コマンドは intel ドライバでないと使えません。
輝度の調整は

# echo 10 > /sys/class/backlight/intel_backlight/brightness
(最大値 100 に対して 10。好みの値をセットします。)

で行なうことにしました。スクリプトを作成して /root/Startup フォルダに入れておけば、起動時に指定した値がセットされます。

ご注意
BookwormPup32 では "intel" を指定しないと X が起動しません。

[thinkpadnerd]

ディスプレイ消灯、あるいは、スタンバイからの復帰に失敗することがあり、pmedia=atahd に戻しました。

因果関係はなさそうです。
むしろ、ビデオドライバに "modesetting" を指定したことが関係しているようです。"intel" に戻しました。
あちらを立てるとこちらが立たず...

別件ですが、OpenOffice の sfs をロードしたら、Chrome がおかしくなりました。(Chrome も sfs)
フォルダ / ファイルが衝突するはずがなく、原因は不明です。よく分からないまま、起動パラメータに
pfix=fsck,nocopy
を付加して、sfs をメモリにコピーしないようにしました。結果、OpenOffice も Chrome も問題なし。

overlayfs の特性なのか... デフォルトではすべての sfs がメモリにコピーされます。
いずれにしても、このマシンはメモリ 4GB なので、nocopy を指定したほうが幸せということでしょうか。OS の選択肢が他にないので困ります。

[thinkpadnerd]

BookwormPup にはカーネルパラメータ
intel_idle.max_cstate=1
は付けていません。なくても問題ないようです。

EasyOS 5.9 ではこのパラメータは意味を持ちます。
CPU 周波数は負荷に応じて 1.6GHz ←→ 2.4GHz に変化します。中間値はありません。結果、周波数は高止まりします。

私は、このパラメータは付けず、Wcpufreq も無効にしています。周波数は 1.6GHz を中心として最高 2.4GHz、低い方は 1GHz 以下に変化します。中間値も存在します。省電力を考慮するなら、こちらの設定が適切だと思われます。

BookwormPup にはこのパラメータも Wcpufreq も効きません。
周波数は 480MHz ~ 2.4GHz の間で動的に変化します。省電力ですが、最低値が低すぎるので急に負荷がかかった場合に、周波数を上げるのが間に合わないこともあります。例えば、動画の再生中に、たまに音飛びのような現象が見られます。

追記
EasyOS 5.9 ではスタンバイから復帰できません。スクリーンセイバー (スクリーンブランキング) は作動しますが、これは黒い画面を表示しているだけで、バックライトは消灯していません。スタンバイ状態ではディスプレイは消灯しています。
総合すると、BookwormPup のほうに軍配が上がります。EasyOS 5.9 はカーネル 5.15系、BookwormPup は 6.1系です。カーネルの違い、ファームウエアの違いによるものかもしれません。

[thinkpadnerd]

BookwormPup にはこのパラメータも Wcpufreq も効きません。

カーネルパラメータとして
intel_pstate=disable
を付加すると、wcpufreq が有効になることが分かりました。

しかし、wcpufreq を使って例えば、周波数の最低値を 800MHz に設定することはできますが、最高値は 1.6GHz 以上に設定できません。2.4GHz まで上昇するように設定できないと実用になりません。特に動画の再生時、1.6GHz ではパワー不足です。

結局、この設定は私的にはボツです。

[thinkpadnerd]

Firefox は modesetting ドライバのほうがパフォーマンスが良くなります。

このマシンでは "modesetting" を使うと、スタンバイからの復帰に失敗します。それで、現在は "intel" にしているのですが、Firefox のレンダリング (描画) 処理がソフトウエア処理になってしまい、パフォーマンスが下がります。

about:support で webrender (software) と表示されます。ハードウエア処理の場合は単に webrender と表示されます。

about:config で
gfx.webrender.all -> true に変更しました。(ハードウエア処理を強制する)

結果、ハードウエア処理になりました。

参考にしたサイト
https://moebuntu.blog.fc2.com/blog-entry-1403.html

OS のバージョン、Firefox のバージョン、ハードウエア (PC) にもよりますので、この設定は一般化はできないと思います。
このマシンでは h264 のハードウエアデコードは以前から有効なので、結果的に Firefox のほうが Chrome よりパフォーマンスが良くなりました。

[thinkpadnerd]

動画を再生している途中で止まってしまい、ビープ音のようなものが鳴り続けるという不具合が発生。

これは noblepup64 での不具合です。

解決策
/etc/modprobe.d/alsa-base.conf
に

コード: 全て選択

options snd-intel-dspcfg dsp_driver=2

を追記する。

参考にしたサイト
Fix for continuous, steady beep/screech on Intel Cherry Trail/Bay Trail devices when using built-in speakers/headphones
https://www.reddit.com/r/Ubuntu/comment ... _on_intel/

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Atom CPU を搭載した多くのタブレットに共通する不具合のようです。
Debian は対策済みだが、Ubuntu には取り込まれていない、ということなんでしょう。