WeeDog Linux を試してみました

標準以外の日本語環境用の派生デストリビューション

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きりん
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登録日時: 08/02/24(日) 21:49
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WeeDog Linux を試してみました

投稿記事 by きりん »

英語のフォーラムに "WeeDog Linux"の書き込みを見つけテストしてみました。
http://www.murga-linux.com/puppy/viewto ... 1&t=116070

特徴は次のようです。
・起動可能なイメージで配布されているものではなく、ビルドシステムとして配布されている。
・現時点、linux64が稼働しているシステム上で構築する。
・現時点、arch linux 64 をベースに開発が進んでいる。
・ターゲットとしたシステムのパッケージ管理システムが使用できる。

実行してみました。arch_linux は最新の状態を追求しているスタイルなので、最新kernelの適用が早いのでテストしてみました。

1.実験台
・スティックコンピューター:DG-STK3(CPU:ATOM-Baytrail,Strage:eMMC 32GB,BIOS:UEFI32bit)
・これに、モニター:HDMI接続のTV、USB接続のキーボードとマウス
・LANは、拡張アダプター内臓のUSB接続有線LANチップ
・内臓ストレージは、第一パーティション:ブートローダー(FAT32 フォーマット)、第二パーティション:システム領域、Arch_linux_32 と fossapup64 を導入済み。

2.適用した weedog
・RC7 (STABLE) WeeDogLinux Arch 64 now released
http://www.murga-linux.com/puppy/viewtopic.php?t=116212 からたぐった、
make_Arch_amd64-openboxFull_latest_rc7.sh のビルドスクリプトを使用しました。
・ビルドする親として、linux64が必要なので、fossapup64 を立ち上げて作業を行いました。
・ワーク領域として、ext2-4フォーマットの10GB程の空き領域が必要です。今回は、内臓ストレージeMMCを利用しました。
・debian系をベースとしたもの上で構築作業を行う場合は、"zstd"パッケージを導入しておく必要があります。
・作者さんのメッセージでは「コーヒー飲んでいる内に終わるよ」ですが、手元の環境では「ご飯を食べて、お風呂に入って」で完了しました。

3.日本語環境で使えるまで
・とってもFATです。メインsfsの大きさがGB単位です。
・Arch_linux の wiki を見ながら環境設定を進める必要があります。パッケージの追加に pacman が利用できます。
・systemd が動いているようです。
・サウンド関係は、pulse ベースのようです。
・LAN は、有線LANであっても自動起動しません。Menu > Applications > Internet > Internet Connect Now で設定します。
・GUI上のキーボード設定は、コンソール上のキーボード設定を行っても反映されません。/etc/X11/xorg.conf.d/00-keyboard.conf を作成する必要があります。ネット上から引っ張ってきましたが、例えば次のように設定します。

コード: 全て選択

Section "InputClass"
        Identifier "system-keyboard"
        MatchIsKeyboard "on"
        Option "XkbLayout" "jp,us"
        Option "XkbModel" "pc104"
        Option "XkbVariant" ",dvorak"
        Option "XkbOptions" "grp:alt_shift_toggle"
EndSection
・日本語フォントは導入する必要があります。次のようにしました。ターミナルより、

コード: 全て選択

# pacman -S adobe-source-han-sans-otc-fonts
# pacman -S adobe-source-han-sans-otc-fonts
# pacman -S adobe-source-han-serif-otc-fonts
# pacman -S noto-fonts-cjk
・日本語IMEの導入。次のようにしました。ターミナルより、

コード: 全て選択

# pacman -S fcitx-im fcitx-anthy fcitx-configtool
最初は MOZC を導入したのですが、GUIがpuupyさんの流儀でrootユーザーで立ち上がるのでMOZCは利用出来ないようです。
immodules.cache の更新は正しく行われているようです。
・環境変数とfcitxの起動指示が必要です。ファイルの最後に下記を追加しました。
/root/.config/openbox/autostart

コード: 全て選択

fcitx-autostart &
/root/.config/openbox/environment

コード: 全て選択

export DefaultIMModule=fcitx
export GTK_IM_MODULE=fcitx
export QT_IM_MODULE=fcitx
export XMODIFIERS=@im=fcitx
4.現時点のはて?
・initrdに、起動に必要と思えるkernelモジュールがコピーされているのですが、内臓のeMMCドライブからの起動は出来ませんでした。USBドライブをEXT4フォーマットとして必要なファイルを納め起動さてせいます。UEFI32bitのせいなのか?
・FATなモジュールサイズなのですが、極端にレスポンスが悪い印象が現時点ありません。内臓ドライブから起動出来るようにして、体感面の変化を確認したいな。
・タイムゾーンの設定をしてもGUI上の時計表示にローカルタイムが反映されない。
・馴れてきたら、YOGABOOK(UEFI64bit)でも確認してみる考えです。
きりん
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Re: WeeDog Linux を試してみました

投稿記事 by きりん »

内臓のeMMCドライブから起動出来ました。
次のオプションをローダーに加えればよいようです。
必要なファイルを収めたドライブはext4フォーマットされています。

コード: 全て選択

linux /WeeDogArch/vmlinuz-linux w_bootfrom=UUID=0f3ca1f6-50c5-42ab-98f1-08dad1a28fa2=/WeeDogArch w_usbwait=30 w_addmodule=sdhci_acpi
initrd /WeeDogArch/initrd.gz
w_bootfrom=UUID=0f3ca1f6-50c5-42ab-98f1-08dad1a28fa2=/WeeDogArch <--- UUIDで、vmlinuz-linux と initrd.gz の場所を指定する。
w_usbwait=30 <--- おまじないで認識待ち時間を加えました。(2020.06.28 追記:このおまじないは不要です。)
w_addmodule=sdhci_acpi <--- eMMCの認識に必要なモジュールのロードを指定する。

ちなみに、ビルド後、起動に必要なファイルは以下のとおりです。

コード: 全て選択

01firstrib_rootfs.sfs size:1.3GB
10gtkdialog64_libvte.sfs size:492kB
11pupdog64.sfs size:268kB
initrd.gz size:71.3MB
vmlinuz-linux size:7.1MB
起動後のセットアップ方法を補足しておきます。
puppyの特徴である、pXXXXスクリプトは利用されていません。ターゲットとしたデストリの流儀に従うようです。
多分、次の順序が時短モードです。
1.キーボードの設定
二つの作業が必要なようです。
・コンソール上のキーボード設定
ターミナル上から次のファイルを作成します。

コード: 全て選択

# echo KEYMAP=jp106 >/etc/vconsole.conf
・X上のキーボード設定
ひとつ前の書込みの "/etc/X11/xorg.conf.d/00-keyboard.conf" 作成の部分を参照ください。

2.ネットワークの設定
ひとつ前の書込みの "LAN"の部分を参照ください。

3.タイムゾーン設定と時刻合わせ
ターミナル上からコマンド操作します。

コード: 全て選択

# ln -sf /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime
# timedatectl set-ntp true
# timedatectl status
三番目のコマンド叩いた時点で、現在時刻とタイムゾーンの設定が確認出きると思います。

4.ロケールの設定
日本語ロケールを設定するとして、/etc/locale.gen をエディターで開き、"ja_JP.UTF-8"の行頭の"#"を削除し、ファイルの上書き。その後コンソールから、

コード: 全て選択

# locale-gen
# echo LANG=ja_JP.UTF-8
(追記 2020/06/27)#echo LANG.... を追記しました。

5.日本語フォントの追加
ひとつ前の書込みの "日本語フォント"の部分を参照ください。

6.リブート
・一度リブートします。saveファイルは起動オプションを指定しなければ、kernelのあるフォルダーに勝手にsave-folderの形で作成されます。
・リブート後、今までの設定が反映されているかを確認します。

7.日本語IMEの追加
・ひとつ前の書込みの "日本語IMEの導入"の部分を参照ください。
・ひとつ前の書込みの "/root/.config/openbox/autostart" と "/root/.config/openbox/environment" への追記を実行してください。

8.リブート、使用開始
・IMEの動作を確認します。期待通りでない場合はIMEの設定を確認変更します。
きりん
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Re: WeeDog Linux を試してみました

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追加の作業報告。

1.(初代)YOGABOOKで動作するか?
・ブートローダーに "w_addmodule=sdhci_acpi" オプションを追加して起動出来ました。
・ブートローダーの追加パラメータで、起動時に横画面表示が可能でした。従来のpuppy'sのカーネル設定では再コンパイルしないと対応出来ませんでしたが標準状態でOKでした。
・特徴であるタッチキーボードはNGでした。
追加作業を行いましたが、結局、libbase.soがエラーを出ます。
ライブラリーはその家系のものでないとうまくいかないのでしょうか?
このファイルはArchのリポジトリーから見つけることが出来ずdebianのものを引っ張ってきました。
ubuntuベースのweedogが発表されたら再チャレンジしてみます。

2.Bluetooth は動作するか?
・Blueman の導入で動作OKでした。Arch Linux の Wiki を参照しながら導入すると確実です。
・/etc/xdg/autostart の内容はGUI起動時に反映されないようなので、/root/.config/openbox/autostart に適時手動反映させる必要があるようです。
・手元の環境では、最近のカーネル使用のものは、ファームウェアの追加インストールなく動作するように変化してきました。

3.ふと思ったこと?
・カーネルのコンフィグ指定はどうやって決めているのだろうか?
puppyさんの場合、かなり端折られている印象。
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